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2010年6月24日
新興国市場としての中東地域
日本企業にチャンスはあるか(後編) 
~中東電機市場の状況と日本企業の中東ビジネス発展へ向けてのインプリケーション~
チーフアナリスト
永井 知美

・中東地域は、(1)人口増加率が高い、(2)若年層が多い、(3)一定の富裕層が存在し、今後中間層の増加が見込まれる、(4)(トルコを除いて)地元企業との競合がほとんどない、(5)日本製品を高く評価している、などの特徴もあり、日本企業にとって有望市場に成長する可能性がある。 ・TBR産業経済の論点 № 10-6 『新興国市場としての中東地域・日本企業にチャンスはあるか(前編)』では、所得水準が高く人口規模が比較的大きいサウジアラビアとアラブ首長国連邦(UAE)、人口規模が大きく、経済成長が期待されるエジプト、トルコの4ヵ国を分析対象として、中東地域の自動車市場の状況を概観した。日本企業は、UAE、サウジアラビアといった所得水準の高い国では高いプレゼンスを誇っているものの、典型的な新興国市場であるエジプト、トルコでは現代自動車(韓国)に追い上げられている。 ・後編では中東の電機市場の状況を概観する。電機市場では、エジプト、トルコはもちろんのこと、所得水準の高いUAEやサウジアラビアでも、サムスン電子やLGエレクトロニクスのプレゼンスが高い。 ・韓国メーカーは、現地ニーズを徹底的に研究し、お値打ち品からハイエンドまで幅広い価格帯の製品を取り揃えて営業攻勢をかけ、シェアを拡大している。日本メーカーは、新興国市場の中間上位層~富裕層には一定の支持を得ているが、今後市場拡大が期待される中間層からは「高品質ではあるが値段が高い」とのイメージを持たれている。 ・中東地域は、現地代理店を通じた販売が主流であること、統計が未発達であるため現地ニーズがつかみにくいなど、新興国市場特有の難しさもある。 ・中東地域の電機市場では、Made in Japanは依然として最上位ブランドに位置づけられているが、市場開拓に本腰を入れている韓国メーカーに対して劣勢に立たされている。日本企業は、現地ニーズに対応した製品の投入、製品ラインアップ拡充による中間層の取り込み等を図り、失地を回復する必要があるだろう。

【キーワード】

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PDF : TBR産業経済の論点 No.10-07(485KB)