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2012年8月6日
シェールガス

「天然ガスの黄金時代」をもたらす注目エネルギー 日本のエネルギー安全保障にも影響

 泥土が堆積してできた頁岩(けつがん)の中にある天然ガスを指します。非在来型エネ ルギーの一つです。通常の天然ガス田よりも深いところにあり、従来の採掘方法では取り 出すことが困難と言われていましたが、近年、米国で採掘技術が確立し、シェールガスの 生産が拡大しています。この結果、米国では天然ガスの価格が低下しており、米国製造業 の国内回帰の一因となっています。また、福島第一原発事故以降、国内の原発が停止し、 天然ガスの調達を迫られた日本が大きな価格上昇なく安定的に調達できたのも、このシェ ールガスの生産増加のおかげと言われています。  ちなみに、シェールガスは米国だけでなく、中国や南米など世界各地で埋蔵が確認され ています。シェールガスが技術的に採掘できる量は世界全体で 6,622 兆立方フィートにも 上ります(図表)。さらに、中東やロシアでの埋蔵量を考慮すると、採掘可能な年数はこれ までの 60 年から 400 年超と飛躍的に伸びることとなります。ただし、米国ではシェールガ ス採掘が地下水などの環境汚染を引き起こすとの見方もあり、このまま急拡大するかどう か不透明さが残っています。  IEA(国際エネルギー機関)は、シェールガスが世界のエネルギー需要増と低炭素社会の 実現に応えるという「天然ガスの黄金時代」をもたらすとの期待を示しています。日本と してはこの安価なシェールガスを米国から輸入することができればエネルギー調達を低く 抑えることが可能になります。ただ、米国は FTA 締結国でない国にはシェールガスの輸出 を認めていません。日本は近い将来において TPP 加盟の可否について議論しなければなり ませんが、その際、エネルギー安全保障の観点を無視するわけにはいかないでしょう。

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