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2008年12月15日
日本の薄型テレビメーカーはどこに活路を見出すか
―薄型テレビ業界の現状と課題―
チーフアナリスト
永井 知美

・日本発で普及が始まった薄型テレビは、価格の急速な下落、画質向上、先進国におけるアナログ放送からデジタル放送への移行、新興国の生活水準向上に伴い市場が拡大してきた。 ・薄型テレビは値下がりが激しく、セットメーカーとして同事業だけで利益を出すのは困難となっている。金融危機に伴う世界同時不況の到来で、状況は一段と厳しさを増している。 ・日本国内の薄型テレビ市場では、日本メーカーの存在感が圧倒的だが、海外ではサムスン電子、LG電子といった韓国メーカーも強い。 ・今後、薄型テレビ市場における日本の相対的地位低下が予想される中、海外市場開拓の重要性が高まっている。薄型テレビ業界で生き残りを図るには、価格下落に対応するとともに、海外展開に成功することが必須となる。 ・日本の電機メーカーは、パネル製造から組立まで一貫して行う「垂直統合型」、パネルを合弁企業から調達する「擬似垂直統合型」、パネルを外部から調達して制御プログラムによる画質や性能・機能の差異化を図る「水平分業型」の3つに大別されるが、現時点で強い存在感を見せているのは、パナソニック、シャープといった垂直統合型企業である。 ・世界的な金融危機と景気悪化を背景とした需要減速と価格下落の再加速に直面して、電機業界ではさらなる再編が予想される。今後、莫大な設備投資を必要とする垂直統合型の電機メーカーが、この難局を乗り切り、利益を確保していけるかどうかが注目される。

【キーワード】

薄型テレビ、価格下落、液晶テレビ、プラズマテレビ、市場拡大、海外展開、垂直統合型、擬似垂直統合型、水平分業型、金融危機、需要減速、再編、設備投資

PDF : TBR産業経済の論点 No.08-11(466KB)