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2004年4月1日
経営センサー4月号 2004 No.61

■経済・産業

「見栄」消費が盛り上がる中国経済 -内販志向を強める中国進出日系企業-

増田 貴司  産業経済調査グループリーダー・チーフ エコノミスト 

【要点(Point)】
(1)中国では、耐久消費財を中心に幅広い分野で消費ブームが盛り上がっている。中国都市部の消費者は、統計が示す平均収入では計れない大きな購買力を持っている。
(2)中国市場を一括りで語るのは意味がない。日本企業が中国で売り込むには、細分化したマーケティングが必要である。日系企業の主要ターゲットとなるのは、都市部の富裕層(所得上位20%世帯の8,700万人程度)である。
(3)富裕層が激増する中国では、「見せびらかし消費」「見栄」消費の盛り上がりが成長の原動力になっている。
(4)日系企業が中国人の「見栄」消費を喚起するためには、価格を「当地の所得水準からすれば高いが、背伸びをすれば手が届く水準」に設定するのが有効である。
(5)プライドの高い中国人の消費者に受け入れられるには、世界で通用する一級品を投入する必要がある。
(6)中国市場でのマーケティングに関しては、概して中国企業より日系企業の方が熱心である。
(7)現地で市場特性を考慮した商品開発を行うことは、中国市場攻略のために有効である。

正念場を迎えた日本の輸出産業 -輸出構造は高度化しているのか-

福田 佳之  産業経済調査グループ エコノミスト

【要点(Point)】
(1)2003年の日本の貿易は、年後半からの世界経済の拡大を受けて増加している。商品別に見ると、デジタル家電などの電気機器などを中心に好調である。
(2)地域別に見ると、輸出入ともに、対米貿易が鈍化した一方で、対アジア貿易が拡大している。対アジア貿易拡大の背景には、アジア経済の好調やアジアとの国際分業体制の構築が挙げられよう。
(3)世界経済のグローバル化に対応して、電気機器産業はこう付加価値化を推進してきた。中国からの旺盛な需要に浮かれることなく、日本企業は国内拠点の高度化など利益の源泉の確保を目指す必要があろう。

現実味を帯びてきた水素エネルギー社会とその課題 

株式会社ダイヤリサーチマーテック 上席研究員  大竹 正之

【要点(Point)】
(1)地球温暖化の主要原因物質とされるCO2の排出量を京都議定書合意レベルまで削減するため、これまでの化石燃料に代わり水素を主要エネルギー源に使用する社会システムの導入が会しされている。成否の鍵を握るのは自動車用燃料電池と考えられる。
(2)水素エネルギー社会を構成するための各種技術要素開発が進んできた。必要な法整備、水素供給インフラ整備は経済産業省の主導で進んでいる。
(3)米国では、2003年1月のブッシュ大統領声明で水素エネルギー社会への移行を実現するフリーダムカー開発などの研究支援が開始されているが、それは環境改善施策というよりもエネルギーセキュリティーと考えた方が理解しやすい。
(4)水素エネルギー社会構築のためには、政策的支援、戦略的研究、水素インフラ構築などが世界共通の課題であろう。

「ちょっと教えて! 現代のキーワード」

「300ミリウエハー」 「合併会計」

■視点・論点

徒然考 : 「言葉」に思う  -創造力の源は言語力- 

松下電気産業株式会社 東京支社 顧問  関口 堅司

■マネジメント

CSR(企業の社会的責任)の実践  -(株)リコー CSR室 室長 平井良介氏 に聞く- 

逆井 克子  繊維調査部 リサーチャー

1. 企業活動の社会に対するインパクトが増大するにつれ、「社会と企業の持続的な相乗発展」のためにCSR(企業の社会的責任)重要性が指摘され、各ステークホルダーに十分配慮した経営が求められている。 2. リコーでは、ステークホルダーに対して最低限守るべき「義務」に加え、社会から望まれる企業となるため自主的に高い目標を設定する「自主責任」化がCSRの本質である、としている。 3. リコーでは、CSR憲章としてリコーのCSRを明確にし、CSR室自体は、具体的には「コンプライアンス啓発(風土醸成)」「リスクマネジメント(未然防止)」「クライシスマネジメント(事後対応)」を当面の主要テーマに取り組んでいる。 4. リコーでのCSR推進の最大の成果は、「ブランドロイヤリティ向上」であり、社員一人一人が自主的に責任ある行動をとるという好循環が生まれることである。 5. CSRは「意識改革」であり、経営姿勢そのものといえる。そのためには(1)CSRの異議を社員一人一人が理解し、自らのこととして取り組むこと、(2)経営トップが強いリーダーシップをもって率先して行動すること、が重要であろう。

■人材

元気な組織の鍵は「仕事の面白さ」 

株式会社コンセプトワークショップ 代表  佐藤 修

【要点(Point)】
(1)元気のない企業に比べて、最近、NPOやワーカーズコレクティブ、ソーシャルベンチャー(社会起業家による事業組織)など、元気な組織が育ち出してきた。
(2)元気な組織に共通しているのは、そのメンバーが仕事を楽しんでいることである。
(3)価値観がますます多様化していく中で、NPOやソーシャルベンチャーの組織の在り方は、これからの企業の在り方を示唆している。

■ズーム・アイ

家族像、ライフステージ、ライフスタイル

尾崎 宏己

■今月のピックアップちゃーと

さて、勝つのはどちら? 

-就業者数の増減で占う 2004年米大統領選挙の行方-

■TBRの広場

[ご案内] TBR 技術戦略研究会 特別シンポジウム