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2007年3月1日
経営センサー3月号 2007 No.90

日本の進むべき道 -政治・社会・経済・企業・家族・個人それぞれの行き方とは-

株式会社三井物産戦略研究所所長 財団法人日本総合研究所会長 寺島実郎 株式会社東レ経営研究所代表取締役社長 佐々木常夫

最新の世界情勢とこの国の進むべき道 -アジアにおける存在感の充実に向けて- 株式会社三井物産戦略研究所 所長 財団法人日本総合研究所 会長 寺島 実郎氏 経営は「時代認識」  私の話は時代認識にかかわる話で、要するに今、我々がどういう時代を生きているのかということについて、発信していくつもりです。  私は常に経営というのは、時代認識だと思っており、今自分たちが生きている時代を的確に認識することなくして、舵取りなどできるわけがないと確信しています。  言葉ではまことに簡単ですが、今自分が生きている時代を認識する作業ぐらい難しいことはありません。  ワークライフバランス -私にとっての会社・仕事・家庭- 株式会社東レ経営研究所 代表取締役社長 佐々木 常夫 はじめに  東レ経営研究所の佐々木です。本日は、「ワークライフバランス-私にとっての会社・仕事・家庭-」というテーマでお話しいたします。昨年6月に『ビッグツリー-私は仕事も家族もあきらめない-』という本を出版しました。今から一年半くらい前『AERA』という週刊誌に私の紹介記事が出まして、それを見たWAVE 出版の社長が「世の中で重い荷物を担いでいる多くの人達に、勇気と希望を与えるために本を書いてほしい」と依頼に来られました。私はそれまで本を書いたこともなければ、その当時書く気もありませんでした。それに、自分の個人生活を公にすることにもいささか抵抗がありましたのでOK はしませんでした。それでもなお、熱心に何度も私のところに来られて、最後にその出版社の社長が言ったのは、「あなたの家族のために書いてはどうですか」という説得の言葉でした。

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■経済・産業

日本の財政は改善に向かっているのか

中央大学 法学部 教授 富田 俊基

 最近の巨額の自然増収と、楽観的な中期経済見通しを背景に、増税なき財政再建という大臣発言まで出てきた。2011年度までに国と地方を合わせてプライマリー収支均衡というレトリックが、我が国財政の持続可能性について国民をミスリードしている。

シリーズ:製造業の現場は今(10) 注目されるITを活用した材料メーカーによる最終財メーカーの研究開発支援の動き

産業経済調査部 シニアエコノミスト 福田佳之

【要点(Point)】
(1)現在、企業は企業間競争の激化や消費者ニーズの多様化からスピーディーな研究開発等が求められており、企業外部に資源を求めるオープンイノベーションを志向する動きが見られる。
(2)日本の最終財メーカーは研究開発の視野を材料分野にまで広げ、材料メーカーと連携する動きがみられる。松下電器産業と東レの連携によるプラズマディスプレイパネルの量産化やソニー、岩崎精機、新日本製鐵の連携による新型ICレコーダーの開発がその典型であろう。
(3)材料メーカー側でも、取引のオープン化から最終財メーカーからのニーズ関連情報の入手ルートが減少するなか、ITを利用して積極的に情報ルートを開拓する動きが見られる。日本軽金属の「Shisaku.com」や三井化学の「三井化学機能性ポリマーズWebフォーラム」が代表例として挙げられよう。
(4)日本軽金属の「Shisaku.com」プロジェクトでは、ITを使って試作ビジネスをオープン化することで潜在的な試作ニーズの刈り取りを意図している。三井化学の「三井化学機能性ポリマーズWebフォーラム」は、サイトを製品群のプライベートショールーム化することでニーズ関連情報の取り込みを図っている。
(5)両社の取り組みは、情報の効果的な収集・共有・取捨選択という点で優れている。今後、材料メーカーはこのような潜在的なニーズ関連情報に対応した事業化の仕掛けを構築することが重要であろう。

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工作機械業界の現状と課題 -受注額は16年ぶりの過去最高更新、中長期的課題は何か-

産業経済調査部 産業アナリスト 永井 知美

【要点(Point)】
(1)2006年の工作機械受注総額は1兆4,369億円と、1990年に記録した過去最高を16年ぶりに更新した。
(2)日本の工作機械業界は、産業としては規模が小さいものの、1982年に米国を抜いて以来、24年連続で生産額世界一の座を確保、維持している。
(3)景気変動の影響を大きく受ける工作機械受注は振幅が激しいが、2007年は外需拡大により引き続き高水準で推移すると予想される。
(4)短期的には好調が予想される工作機械業界だが、中長期的には内需の伸び悩み、新興国の追い上げなどにいかに対応するかという課題もある。大手工作機械メーカーは海外市場開拓等でこうした課題に立ち向かおうとしている。

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■視点・論点

世界の中の日本として輝くために

株式会社エル・ビー・エス 代表取締役社長 竹中 誉

1. グローバル化とは何か?  毎日の新聞、雑誌、テレビ等のマスコミ報道は勿論、各種の会議・人々の会話等で“グローバル化”という趣旨の言葉に触れない日はなくなった、と言っても過言ではない。  では、“グローバル化”の意味する内容は何かと問えば、政治、経済、社会、文化、科学・技術等々のどの分野に焦点を当てるか、あるいは、“グローバル化”を肯定的に捉えるか、否定的に捉えるか、等で多様な答えが可能となる。

■マネジメント

M&A時代の到来と企業経営

ブルーコートシステムズ株式会社 代表取締役社長 河田 英典氏

社団法人日本リサーチ総合研究所 理事 M&A研究部長 瀬戸 裕

【要点(Point)】
(1)2006年の日本企業のM&A(合併・買収)は15兆円と前年に比べ30%増えた。これまでのピークは99年の18兆円だが、これには銀行再編による9兆円が含まれており、昨年は文字通り、幅広い産業分野でM&A 活動が活発化したことになる。とりわけ、外国企業を対象にした大型買収があり、「内-外」型がはじめて50%を超えた。
(2)経済規模、株式時価総額に占めるM&A金額からみて、日本のM&Aはまだまだ少ない。マクロ経済および市場環境の好転と制度面からのバックアップにより、今後は株主価値重視型M&Aが増える。M&Aは企業再生から成長ツールへ転換してこよう。
(3)M&Aはトップのリーダーシップが不可欠である。また、M&A導入にあたっては、企業内においてM&Aのプロデュースやアレンジメントができる人材の育成が急がれる。
(4)買収防衛策には種々の方策があろうが、企業価値の向上が要諦であり、最終的な決め手になる。

■人材

上級MOT短期集中研修「戦略的技術マネジメント研修」について(第2回) 本研修の学習効果について

釘崎康弘 人材開発1部

【要点(Point)】
(1)東レ経営研究所のMOT研修は、企業の開発リーダーがこれまでのOJTや業務経験などを通じて得ている学習経験を体系的に整理し、より高いマネジメントに挑戦するためのヒントやきっかけを得ることをねらいとしている。
(2)本研修では、「学習内容」、「学習する気持ち」、「学習環境」の3つの要素を相互に関連して運営することにより、より高い学習効果が得られるように工夫している。
(3)参加者のアンケートや意見からは、感動体験や自己変化、新たな挑戦意欲などの声が聞かれている。これら開発リーダーの方々が求めている学びが最大化するよう、本研修の企画・運営などのさらなるブラッシュアップに努めていきたい。

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気付きから学びへ -東レ経営研究所 人材開発の現場から- 第六回 “守文は難し、か?”

北原 正敏 特別研究員

 企業経営の創業とその維持では、どちらが難しいか、という議論がある。創業はあらゆるものがゼロの状態から、新しい組織体を生み出す訳だから苦労も並大抵のものではないだろう。一方、維持していくのはすでに出来上がっている組織をうまく経営して、それなりの成果を上げればいい、というわけで一見楽そうに見える、が果たしてどうか?

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■経済用語解説

ちょっと教えて!現代のキーワード ・「ロングテール」 ・「組み込みソフトウェア」

■お薦め名著

『大地の咆哮』-巨大な隣国の覇権と脆弱性-

杉本 信行 著

■ズーム・アイ

悪魔のささやき・天使の微笑み

市場調査部 松本 徹

 私は何度か悪魔にささやかれたことがある。  私は大学で電子工学を勉強した。将来、研究者になって、新しい製品を作れるようなエンジニアになりたいと思い、磁石や金属の性質について研究する研究室に3年半所属した。とても厳しい研究室であったため、遊ぶことも少なく、夜中まで実験装置に囲まれ研究をする毎日であったが、とても充実していた。とある夜、研究室で実験していると「磁石がどのような性質になろうが、これからのあなたの人生にどう関係するの」と、人生1回目の悪魔のささやきがおとずれた。この日をきっかけに、とにかく電子工学から逃げたくなった。就職活動のときに指導教授が勧めてきた電気メーカーへの就職も断った。

■今月のピックアップちゃーと

域内格差が大きい欧州の「イノベーション力」 ~「欧州イノベーションスコアボード第6版」~

■TBR の広場

第17期「マーケティング研究会」 -戦略発想へのマーケティング・アプローチ-