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2021年11月15日
東レ株式会社
東レ・メディカル株式会社

国内初のPMMA製血液透析濾過器「フィルトライザー®HDF」の販売開始について
 東レ株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:日覺昭廣、以下「東レ」)は、国内初となるPMMA(ポリメチルメタクリレート)製の中空糸膜※1を用いた血液透析濾過器「フィルトライザー®HDF」を開発し、2021年12月より東レ・メディカル株式会社(本社東京都中央区、社長:田辺信幸、東レ100%出資、以下「東レ・メディカル」)を通して日本国内で販売を開始します。
 人工腎臓※2を用いた人工透析は、血液透析(HD:Hemodialysis)※3と、血液透析に濾過を加えた血液透析濾過(HDF:Hemodiafiltration)※4の2つの療法に大別され、近年の人工透析市場はHDFが増加し、HDFは市場の42%の割合(2019年末:日本透析医学会統計調査より)となっており、HDには血液透析器(ダイアライザー)、HDFには血液透析濾過器(ヘモダイアフィルター)が用いられています。
 日本国内で使用されるヘモダイアフィルターの中空糸膜は、その8割以上がポリスルホン製※5であり、生体適合性※6(アレルギー反応など)や除去性能などの多様化によりポリスルホン製以外の素材が求められていました。
 東レはPMMA製中空糸膜を用いたダイアライザーを世界で唯一製造販売しており、生体適合性と尿毒素物質※7の除去性能が評価され、日本国内をはじめ世界各国で使用されてきました。

 今回、これまでに培った技術を活かしてヘモダイアフィルターの開発を進め、2021年8月に国内初となるPMMA製ヘモダイアフィルター「フィルトライザー®HDF」の製造販売承認を取得し、11月1日付けで保険収載されました。
 東レは2007年に、国内初となるポリスルホン製中空糸膜を使用したヘモダイアフィルターの製造販売承認を取得し、現在に至るまでヘモダイアフィルターの製品改良を行ってきました。今回新たにPMMA製のヘモダイアフィルターを発売することで、人工透析市場の多様化するニーズに応えてまいります。

 東レは、「東レグループ サステナビリティ・ビジョン」において、東レグループの革新技術・先端材料によって取り組むべき課題の一つに、医療の充実と公衆衛生の普及促進に貢献することを宣言しています。東レならびに東レ・メディカルは今後も、先端材料技術を活用した高付加価値医療材料の開発推進により、企業理念である「わたしたちは新しい価値の創造を通じて社会に貢献します」を具現化し、社会貢献とともに持続的な成長拡大を目指してまいります。
 <製品詳細について>
販売名 : フィルトライザーHDF
一般的名称 : 血液透析濾過器
医療機器承認番号: 30300BZX00233000
クラス分類: クラスⅢ
 <用語説明>
1. PMMA(ポリメチルメタクリレート)製中空糸膜
人工腎臓用半透膜は、セルロース系と合成高分子系の膜に大別され、除去性能の面や生体適合性の面から、合成高分子系の膜が主流です。PMMA製中空糸膜は、東レが世界で初めて開発した合成高分子製の中空糸膜です。PMMAは、眼内レンズに利用されるなど、優れた生体適合性を有します。
2.人工腎臓
腎不全患者の血液体外循環療法に用いる透析療法用の透析器。患者の血液中に存在する老廃物を半透膜の拡散原理を利用して除去する一方、体内に溜まった余分な水分も取り除きます。平膜と中空糸膜タイプがあり、現在の主流は、内径200μmの中空糸膜約1万本で構成された中空糸型の人工腎臓です。
3.血液透析(HD:Hemodialysis)
血液透析(HD)は、半透膜を介して血液と透析液を接触させ、主に拡散の原理によって血液中の対象物質を除去する血液透析療法です。
4.血液透析濾過(HDF:Hemodiafiltration)
血液透析濾過(HDF)は、血液透析に積極的な濾過を加えた療法で、血液透析(HD)と比べて濾過を多くするため、β2-ミクログロブリンなどの大分子量物質の除去に優れています。
5.ポリスルホン製中空糸膜
高機能樹脂に広く使われている耐熱性ポリマーを基本素材として作られたポリスルホン樹脂を使用した半透膜です。人工腎臓用のポリスルホン製中空糸膜は、尿素等の小分子量物質からβ2-ミクログロブリンなどの大分子量物質までの尿毒素物質の除去性能が高く、広く普及しています。
6.生体適合性
透析膜の生体適合性とは、血液が半透膜と接触することで起こる生体の反応の総称であり、白血球数の変動、血小板活性化や補体活性化などを指標に評価されます。生体適合性が良い膜とは、人工透析中のこれら指標の生体反応が起こりにくいことで評価されます。
7.尿毒素物質
尿毒素とは、腎不全病態に陥った場合に尿からの排出が滞ることにより、血中に蓄積してさまざまな障害をもたらす一群の物質。透析治療の黎明期には、尿素(分子量 60)等の小分子量物質が主な対象であったが、現在では、β2‐ミクログロブリン(分子量12,000)のような比較的分子量の大きい大分子量物質(低分子量タンパク質とも言う)まで対象が広がっています。
<ご参考>
東レ・メディカル㈱ウェブサイト
https://www.toray-medical.com/
以 上