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2019年3月28日
東レ株式会社
世界最高レベルの柔軟性を有する新規PPS樹脂を開発

 東レ株式会社(本社:東京都中央区、社長:日覺昭廣、以下「東レ」)は、このたび、ポリフェニレンサルファイド樹脂(以下「PPS樹脂」)が有する高い耐熱性や耐薬品性を維持しながら、世界最高レベルの柔軟性を有した新規PPS樹脂の開発に成功しました。本年4月から自動車用途を中心に本格提案を開始するとともに、幅広い工業材料分野で用途展開を進めてまいります。  PPS樹脂は、優れた耐熱性、耐薬品性などの特性をバランス良く有しており、年率約7%で拡大しているスーパーエンジニアリングプラスチックです。主に、金属代替として耐熱性や軽量・高強度が求められる自動車用途で広く普及しており、パッキンや自動車配管など柔軟性が求められる用途ではエラストマーを配合したPPS樹脂が使用されています。しかし、耐熱性や耐薬品性を維持しながらの柔軟性付与には限界があり、高い柔軟性を有したPPS樹脂の開発は長年の課題でした。

 東レは、長年の研究・開発で蓄積した技術データベースをもとに設計した革新的なマテリアルデザインと、当社独自のナノテクノロジーであるナノアロイ®をベースとしたアロイ精密制御技術を用いてポリマー構造を最適化することで、弾性率1,200MPa以下という、世界最高レベルの柔軟性を有した新規PPS樹脂の開発に成功しました。この新規PPS樹脂は、170℃で1,000時間処理しても機械強度の低下はなく、実使用環境で必要な酸やクーラント(自動車冷却液)に対しても高い耐性を有していることを確認しています。また、自動車配管用途への展開を見据えた中空配管での加工性検証や、樹脂特性の適正化を進めてまいりました。

中空配管成形品
 今回開発した新規PPS樹脂を用いることで、従来実現できなかった自動車配管部品の樹脂化や、部品点数削減、工程簡略化などが期待出来ます。既に自動車配管用途で提案を開始しており、本格的な材料提案開始に向けて、今回開発した新規PPS樹脂の生産体制の準備を進めています。

 東レは2018年7月に発表した「東レグループ サステナビリティ・ビジョン」のなかで、世界が直面する「発展」と「持続可能性」を両立させるために、革新技術、先端材料の提供によって、本質的なソリューションを提供していくことを自らの使命として表明しています。
 1926年の創業以来培ってきた「高分子化学」と「ナノテクノロジー」の2つのコア技術を発展させて開発した今回の新素材は、東レグループが目指す「地球規模での温室効果ガスの排出と吸収のバランスが達成された世界」を、軽量化による省エネルギー化において具現化する素材として、自動車用途のみならず、幅広い用途に提案し、一層の開発を進めてまいります。
以 上