2018年6月11日
東レ株式会社
新たなテキスタイル・縫製品の開発拠点 「テクノラマGⅢ」が竣工
東レ株式会社(本社:東京都中央区、社長:日覺 昭廣、以下「東レ」)は、瀬田工場(滋賀県大津市)内のテキスタイル・機能資材開発センターに、新たなテキスタイル・縫製品の開発拠点「テクノラマGⅢ」を設置し、本日6月11日に竣工しました。
「テクノラマGⅢ」では、従来の人工気象室「テクノラマ」の機能を拡充するとともに、開発領域の拡張に向けた新規評価・解析設備の導入と、社内外との連携強化により新コンセプトの高付加価値商品の開発を推進してまいります。

「テクノラマGⅢ」外観
今回、「テクノラマGⅢ」に新設した人工気象室は、北極圏や南極圏のような極低温低湿環境やゲリラ豪雨など、より多様な気象条件が再現できるほか、独立制御の温調室を3室(主室1室、副室2室)設置することで、例えば真夏の屋外から冷房の効いた室内に移動する場面のような、日常生活における急激な温度変化を伴う実験も可能となります。
また、「人体・運動測定評価室」には筋電計や発汗計、モーションキャプチャーなどの新規評価・解析設備を導入し、人間工学に基づく生理解析やスポーツ工学に基づく動作解析により評価・解析技術を深化させることで、新たな領域における開発に取り組みます。加えて、ここで得られた解析データを活用し、高機能ウェア設計技術や縫製技術も強化してまいります。
さらに、東レグループの繊維素材・商品開発に関する情報の管理・発信機能を拡充するため、「テキスタイルライブラリー」および「素材・商品展示室」を整備したほか、共同開発拠点となる「オープンラボ」を設置し、社内外との連携による商品の高度化と開発の短サイクル化を目指します。
テキスタイル・機能資材開発センターは、紡績・糸加工から製織・編成、染色、縫製までの高次加工技術開発のヘッドクォーターです。1983年に同センターに人工気象室「テクノラマ」を導入し、これまで防水透湿素材や機能性インナーなど数多くの高機能商品を開発してきました。さらに2008年には、中国の東麗繊維研究所(中国)有限公司(略称「TFRC」)に、自動車などの構造物を収容可能な大型の人工気象室「テクノラマGⅡ」を設置し、日本との連携のもとで高機能テキスタイルや産業資材、環境対応素材などの開発を推進してきました。
今回の「テクノラマGⅢ」の竣工により、グローバルな連携体制を一層強固にするとともに、最先端の評価・解析技術の深化と社内外との連携強化を通じた新コンセプトの高付加価値商品の開発を加速することで、東レ繊維事業の飛躍的な拡大に貢献してまいります。
「テクノラマGⅢ」の概要は下記の通りです。