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2013年9月19日
東レ株式会社
高機能粉塵防護服および廃棄物処理容器向け遮蔽材を開発

 東レ株式会社(本社:東京都中央区、社長:日覺昭廣、以下 東レ)はこのたび、高い通気性と防塵性を両立する「高通気性粉塵防護服」、生分解性素材を用いてコンポストをはじめ様々な処分方法に対応可能な「易廃棄性粉塵防護服」、そして高強力ポリエステル繊維をベースに、γ(ガンマ)線遮蔽率99%以上の優れた放射線遮蔽性を有する「放射性廃棄物処理容器向け遮蔽材」を開発しました。今後加速する除染・復興作業における作業効率の向上と廃棄物削減に貢献すべく、2013年度内の上市に向けて、ご提案してまいります。 1.高通気性粉塵防護服  基材に帯電不織布“トレミクロン”*を用いることで防塵性を向上させ、さらに高通気設計で夏場の作業環境向上に寄与する粉塵防護服です。既存品対比で、防塵性の目安である粉塵捕集率は約25%、通気度は約20倍以上向上しました。“トレミクロン”は、ポリプロピレン製の特殊極細繊維不織布をエレクトレット(電石)化した当社独自の高性能シートです。各種フィルターやメディカルマスクなどに使用されています。 2.易廃棄性粉塵防護服  ポリ乳酸不織布と生分解性柔軟フィルムを用いた、生分解処理(コンポスト)が可能な粉塵防護服です。不織布とフィルムの2層構造にすることで粉塵防護服に求められる粉塵捕集率や強度などの物性を維持すると共に、焼却、埋没、生分解処理、熔解など様々な処分方法に対応し、廃棄物の大幅削減に貢献します。また、コンポストによる分解試験(社内評価)では、約25日で消失するという実験結果が出ています。 3.放射性廃棄物処理容器向け遮蔽材  除染で発生する放射性廃棄物の安全な仮置き方法の一つに、プラスチック製のドラム缶等に収容した後、周囲に放出される放射線を遮蔽するためにコンクリートリングを被せる方法があります。ただし本方法に使用するコンクリートリングは重量があり取り扱いが難しく、また使用後の処分も容易でないため、今後加速する除染・復興作業においては、より作業性の高い遮蔽材の開発が望まれています。  東レが今回開発した遮蔽材は高強力ポリエステル繊維を使用した基布に特殊コーティングを施し、γ線遮蔽性、高耐久性、耐水性を付与した新素材です。リング(浮き輪)状の袋の内部に水を充填して放射性廃棄物が収容されたプラスチックドラム缶の周囲に被せることで、99%以上のγ線遮蔽率(社内評価)を実現します。また、5年相当の耐候促進試験(社内評価)においても品質を維持できる優れた耐久性を有します。また、水を充填する前は折り畳みが可能で持ち運びが容易な上に、使用後は水を抜いて焼却することが可能なため、作業効率の向上と廃棄物削減に貢献します。  なお東レは、9月25日(水)から27日(金)の3日間、科学技術館(東京都千代田区)で開催される「環境放射能除染・廃棄物処理国際展(RADIEX 2013)」に出展します。当社は上記開発品に加え、繰り返し着用により廃棄物を極力減らすことができる「洗える粉塵防護服」、「放射線遮蔽性を有する柔軟性シート」、さらにその活用例として放射線量の高いがれきや廃棄物を収納できるフレキシブルコンテナなど様々なソリューションを提案します。

放射性廃棄物処理容器向け遮蔽材

放射性廃棄物処理容器向け遮蔽材

 東レは今後も、これまで培ってきた繊維加工技術を通じて復興活動に役立つ機能素材の開発に注力すると共に、次世代へ前進する活力を生み、人々に安心と勇気を与えるような素材・製品を提供してまいります。  本開発品および展示会出展内容は下記の通りです。



I.開発品の概要
1.高通気性粉塵防護服

(1)商品特長
①捕集効率99.7%の高い防塵性
②既存品対比約20倍以上の通気度で夏場の作業環境向上に寄与
(2)技術内容
帯電不織布“トレミクロン”を用い、独自のテキスタイル設計により、高捕集率と高通気性を両立。
(3)特許出願状況
関連特許含め1件出願済み

2.易廃棄性粉塵防護服

(1)商品特長
①生分解処理が可能で、廃棄物の削減に貢献
②捕集効率100%の高い防塵性
(2)技術内容
ポリ乳酸不織布と生分解性柔軟フィルムを用いた設計により、コンポストによる分解が可能で、廃棄物の大幅削減に貢献。
(3)特許出願状況
関連特許含め2件出願済み

3.放射性廃棄物処理容器向け遮蔽材

(1)商品特長
①γ線遮蔽率99%以上の優れた放射線遮蔽性能
②軽量で作業性、耐久性に優れる
③焼却処分が可能で使用後の廃棄が容易
(2)技術内容
高強力ポリエステル原糸を用い、独自のテキスタイル設計と後加工技術の適用により、高耐久性、耐水性、優れたγ線遮蔽率を維持。
(3)特許出願状況
関連特許含め2件出願済み

II.展示会出展について
1. 出展概要

(1)展示会名称 「環境放射能除染・廃棄物処理国際展(RADIEX 2013)」
(RADIEX:Radioactive Decoration & Radioactive waste Disposal International Exhibition)
(2)開催日時・場所
①日時:9月25日(水)~27日(金) 10:00-17:00
②場所:科学技術館 展示ホール(東京都千代田区北の丸公園2番1号)
(3)出展者 東レ株式会社 繊維事業本部 機能製品・縫製品事業部門
機能製品事業部 特需課
(4)出展ゾーン 「廃棄物の処理・処分」

2.その他の展示会出展物

(1)「洗える粉塵防護服」(参考出展)
従来の粉塵防護服は使い捨てが主流ですが、当社は洗濯により繰り返し着用が可能な粉塵
防護服を開発しました。ナイロン高密度織物と特殊フィルムを組み合わせた多層構造が特長で、高い防塵性を有しています。また繰り返し洗濯することで、費用の削減や廃棄物の大幅削減が可能です。
(2)「放射線遮蔽シート」
当社が独自開発した放射線遮蔽性を有する柔軟なシートです。ポリエステル基布に、放射線遮蔽性能を有する無機化合物(非鉛系)を充填した熱可塑性樹脂層を積層しました。防水/遮蔽シート、フレキシブルコンテナ、トラックの幌など様々な用途に活用できます。
(3)「フレキシブルコンテナ」
放射線遮蔽シートの活用例です。高強度ポリプロピレン織布と高強度ポリエチレン織布の間に放射線遮蔽シートを挿入することで、フレキシブルコンテナに放射線遮蔽性能を付与することが可能となりました。

*“トレミクロン”
外部電界が存在しない状態でも恒久的に電気分極を保持し、周囲に対して電界を形成する物質を、磁石(マグネット)に対し、電石(エレクトレット)と呼びます。 “トレミクロン”はエレクトレットを繊維に応用し、高度に配向分極した高い表面電荷を持った電石不織布です。約2ミクロンの極細繊維からなり、1本1本に高度な電石(エレクトレット)機能を有することで、目に見えないゴミから、大きなゴミまでを強力に捕らえ、空間の多目的なクリーン化に貢献する素材です。


以上