2020年10月7日
東レ株式会社
優れた洗濯耐久性と着用快適性が特長の抗ウイルステキスタイル
「MAKSPECⓇ V」を開発
東レ株式会社(本社:東京都中央区、社長:日覺昭廣、以下「東レ」)は、この度、優れた洗濯耐久性と着用快適性を有する抗ウイルステキスタイル「MAKSPEC
®
V」(マックスペック
®
V)を開発しました。
「MAKSPEC
®
V」は東レ独自の繊維加工技術により、抗ウイルス加工の耐久性と快適な着用感につながるソフトな風合いを実現したポリエステル素材です。本素材はウイルスの外側に脂質膜(エンベロープ)のあるエンベロープ型ウイルスに対して効果を発現するものです。「MAKSPEC
®
V」が持つ抗ウイルス性能により、テキスタイルに付着したウイルスのエンベロープを破壊することで、ウイルスの数を減少させます。
これらの特長を活かしてサービスウェア、メディカルウェア、ワーキングウェア、スクールウェア等各分野のユニフォーム用途から、スポーツウェア、カジュアル・ファッションウェアまで幅広い用途に向けて提案を行う計画です。2021年1月から販売を開始し、販売目標は2022年度に30万m、3年後の2025年は100万mです。
「MAKSPEC
®
V」の製品サンプル
これまで、エンベロープ型ウイルスに対して効果を発現する抗ウイルス加工をポリエステル素材に使用する場合、薬剤の繊維への固定化が難しいことから洗濯耐久性が得にくいという課題がありました。そのため、薬剤の繊維への固定化が比較的しやすい綿混素材を使用したものが一般的であり、イージーケアやストレッチ性、吸汗速乾性といった合繊ならではの機能性と両立させることに限界がありました。また、ポリエステル素材を使用しながら洗濯耐久性を得るためには接着成分を使用するなどの手法がとられてきましたが、接着成分を使用するとテキスタイルの風合いが固くなることから、衣料用途での展開には制限がありました。
今回、東レは抗ウイルスの最適な薬剤の使用と、ポリエステル繊維への独自の薬剤固定化技術により、薬剤をポリエステル繊維内部まで吸尽させることに成功しました。このことにより「MAKSPEC
®
V」は、(一社)繊維評価技術協議会によるエンベロープ型ウイルスに対する抗ウイルス性認定(SEK抗ウイルス加工マーク)の取得に加えて、業務用洗濯での耐久性を実現しました。さらに今回開発した技術により、テキスタイル本来の柔らかな風合いを残すことが可能となったことで高い着用快適性を実現するとともに、一般的な衣料用テキスタイルに求められる染色堅牢度を備えているため、これらの特長を合わせ「MAKSPEC
®
V」を衣料用途に幅広く展開していきます。
東レは、高い機能性が求められるユニフォーム素材の開発で培った繊維加工技術を駆使し、快適性と安全性を合わせ持つ、高機能・高付加価値なテキスタイルの開発を通じて、より良い社会の実現に取り組んでまいります。
今回、開発した「MAKSPEC
®
V」の詳細は下記の通りです。
記
1.商品名 :
「MAKSPEC
®
V」(マックスペック
®
V)
2.商品特長 :
(1)
高い抗ウイルス性能 (抗ウイルス活性値3.0以上)
*ウイルス株:ATCC VR-1679(エンベロープ型)で試験実施。
SEK抗ウイルス加工マーク取得済み。
<注1>
(2)
優れた業務用洗濯耐久性
・
業務用の使用において、通常求められる水準の耐久性を保持。
(3)
ソフトな風合いや染色堅牢度を損なわない
<注意>
・
抗ウイルス加工は、病気の治療や予防を目的とするものはありません。
・
抗ウイルス性試験は、ウイルス株:ATCC VR-1679(エンベロープ゙有)を25℃で2時間放置して実施しています。
・
抗ウイルス加工は、ウイルスの働きを抑制するものではありません。
3.技術概要 :
(1)
ポリエステルへの親和性が高く、エンベロープ型ウイルスを減少させる抗ウイルス剤を使用。(ポリエステル繊維に付着したウイルス数を試験2時間後に99.9%以上減少させることが可能)
(2)
抗ウイルス剤をポリエステル繊維内部まで吸尽させる独自の加工技術。
(テキスタイルのソフトな風合いと高い堅牢度特性を具備)
4.展開用途 :
・ユニフォーム
・サービスウェア、メディカルウェア、ワーキングウェア、スクールウェア等)
・スポーツ、カジュアル、ファッションウェア
・子供服
※使用できない用途: ①マスクなど口・鼻孔に近い部位、②生後24ヶ月以下の乳幼児用品。
<注1>
・試験方法
: JISL1922 「繊維製品の抗ウイルス性試験方法」
・感染価測定法
: プラーク測定法
・使用素材
: ポリエステル100%織物
以上
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