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2011年10月20日
東レ株式会社
-ナノスケール加工技術“ナノモディ®”による商品化第2弾-
後加工による滅菌洗濯対応素材・耐加水分解性ポリエステル基本技術確立について

 東レ(株)(本社:東京都中央区、代表取締役社長:日覺昭廣)は、この度、ナノテクノロジーによる繊維改質技術“ナノモディ®”を用いた新商品の第2弾として、滅菌洗濯に対応できる耐加水分解性に優れた後加工の基本技術を確立しました。本技術により滅菌洗濯における高圧水蒸気処理での布帛強度低下を大幅に低減できます。  当社は本技術を滅菌洗濯が必須であるユニフォーム用素材向けに、本年度中に量産技術を確立し、2012年4月からの本格生産開始を目指します。  今回確立した基本技術は後加工による改質であり、原糸改質のように特殊ポリマーを必要とせず、ポリエステルそのものを改質する汎用的な後加工技術であることが特長です。従来、ユニフォーム市場では使い捨てが中心でしたが、本加工技術を用いることにより、滅菌洗濯に対応でき、繰り返しの商品利用が可能となるため、地球環境に優しく、需要が拡大するレンタルユニフォーム用途にも対応します。  ポリエステルは一般衣料用途では非常に安定的な素材ですが、高温多湿の環境下に長時間放置するとポリエステルを構成するポリマー鎖の活性末端により加水分解が起こるため、経時的に強度低下が発生する特性があります。  このためユニフォーム用途では、滅菌洗濯のようにオートクレーブの高圧水蒸気の環境下で繰り返し滅菌処理されるような利用は不可能でした。同用途では、主に使い捨ての対応や耐加水分解性を向上させた特殊ポリマー原糸を用いた素材が一部利用されている程度に留まっています。  当社が今回開発した、後加工による耐加水分解性ポリエステルは、“ナノモディ®”技術を用いて繊維内部まで機能薬剤分子を浸透・拡散させることで、ポリエステル繊維を構成するポリマー鎖の活性末端を不活化し、優れた耐加水分解性を発現することに成功しました。本技術は、後加工という汎用性を活かし、あらゆるポリエステル素材への対応が可能となります。  東レは、長期経営ビジョン AP - Growth TORAY 2020 において、先端材料とグリーンイノベーションで世界に飛躍する企業を目指しています。当社は今後も、高分子化学をベースとした技術力を駆使し、より快適なユニフォームの創造に取り組んでいきます。  本技術の概要は下記の通りです。



1. 特長:  滅菌洗濯における繰り返しオートクレーブ処理による高圧水蒸気処理での布帛強度低下を大幅に低減できる。
(実験データ例: 
   本技術繰り返し>100回
   従来技術(原糸改質) 繰り返し50回(当社法による)

2. 内容:  ナノテクノロジーを用いたナノスケール加工技術“ナノモディ®

“ナノモディ®”技術は、機能薬剤の適切な設計と加工時の温度・湿度・濃度・圧力など様々な条件の制御により、機能薬剤を繊維の内部まで浸透させ、繊維を構成するポリマー鎖を分子レベルの反応により均一に改質する技術です。これにより、素材を構成する繊維の表面積の大きさで効果を発揮する従来の後加工とは違い、織物や編み物といった素材全体の容積の大きさによって効果を期待できる機能において、高度な機能を発揮することができ、ポリマー改質により繊維そのものの物性の大幅な向上や、まったく新しい機能の付与を自在にコントロールできるようになります。また、繊維内部の改質度合いを多段階に制御し、繊維の外層と内層で傾斜的に異なる特性を付与できるといった後加工での擬似的な多層構造繊維の創出など、様々な応用展開が期待できるものです。

加工のイメージ

加工のイメージ


3. 特許出願:  関連含め、10件出願済み
4. 生産開始時期:2012年4月を予定
5. 展開用途: 病院及び介護ウェア、ワーキング等の各種ユニフォーム用途

以上