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2013年1月29日
東レ株式会社
世界最細の革新ナノファイバーを開発
~ 世界最細の直径150ナノメートル、Y型断面タイプも 産業資材用途での応用に期待 ~

 東レ株式会社(本社:東京都中央区、社長:日覺昭廣)はこのたび、直径150ナノメートル(nm)という世界最細の超極細ナノファイバーと、断面形状がY型の異型断面ナノファイバーの開発にそれぞれ成功しました。  当社は、独自の超微細ポリマー流制御による精密複合紡糸技術により、ナノオーダーという極限の『細さ』と、異型断面という『形』をそれぞれ高精度で制御できる革新ナノファイバー技術を有しています。  今回、同技術を大きく進化させることにより、これまでの『細さ』の限界であった繊維径300nmを半減した150nmという世界で最も直径の小さい長繊維型ナノファイバーの開発に成功しました。一方、『形』においても、ナノファイバーでありながら断面に凹部を形成させる超精密加工技術を創出し、これまでの三角や多角形断面に加えてY型断面のナノファイバー(繊維径500nm)の製造にも成功しました。  当社の革新ナノファイバーは、長繊維として織物や編物に加工したり、所望の長さにカットした短繊維として不織布などに適用することができるものです。また、得られるナノファイバーの直径が均一であるため、繊維の切断や脱落が少なく、かつ安定した品質の製品が得られることが大きな特徴です。  今回開発した世界最細の超極細ナノファイバーやY型断面ナノファイバーは、繊維重量あたりの表面積がこれまで以上に高いものであり、また繊維間空隙を任意に制御可能なことから、吸湿性、吸水性、保水性、摩擦係数といったナノファイバーの特性が一層向上するとともに、濾過・分離性能や払拭性能をこれまでにない高いレベルで発現させることができます。  本技術を活用した東レの革新ナノファイバーは、機能性を生かした快適衣料やスポーツ衣料などの高機能アパレル製品をはじめ、フィルター材料や医療材料といった高性能産業資材用途など、環境・水・エネルギー、情報通信・エレクトロニクス、自動車、ライフサイエンスなど幅広い領域において、優れた機能を発揮する先端材料としての展開が期待されます。  安全・環境に対する関心の高まりやより快適な生活を求める世の中のニーズは高く、それを支える素材には、従来にない全く新しい機能の追求が求められています。東レは今後とも、社会の動向を捉え、新しいニーズにマッチする革新ナノファイバーの開発と実用化に向けた取り組みを推進してまいります。  なお、今回開発した超極細ナノファイバーと異型断面ナノファイバーは、2013年1月30日から2月1日まで東京ビッグサイトで開催される「第12回 国際ナノテクノロジー総合展・技術会議(nano tech 2013)」の当社ブースにて展示いたします。  今回開発した革新ナノファイバーの詳細は下記の通りです。



1.世界初となる繊維径150nmの超極細ナノファイバー
 今回開発した超極細ナノファイバーは、他のナノファイバー製造技術では成しえなかった均一な繊維径をもち、なおかつ極限まで細化させた形態特性を有します。
 フィルターとして用いた場合、3次元で均質かつ緻密な構造体となり、濾過・分離機能が大幅に向上します。例えば、エアフィルターの基本特性である捕集効率は、繊維径が150nmのナノファイバーの場合、後加工を施すことなく、高性能エアフィルターなどに採用されるエレクトレットフィルターと同等以上の性能を発揮します。

図1 本技術により得られた繊維断面写真

図1 本技術により得られた繊維断面写真

2.繊維断面に凹凸を有した異形断面ナノファイバーの創出
 今回開発したY型の異型断面ナノファイバー(繊維径500nm)は、断面に凹部を持つため、接触する材料との間に大きな圧力が加わることで、ワイピング性能が従来のナノファイバー対比で飛躍的に向上します。また、ナノファイバー断面の凹部分で繊維間に空隙が形成されるため、ワイピングで掻き取った汚れをその空隙に吸収、保持できることから、払拭した面には微細な汚れも残らず、優れたワイピング性能を発揮します。

図2 革新ナノファイバー技術による繊維の断面写真

図2 革新ナノファイバー技術による繊維の断面写真


以上