09/07/2020
No.0436 FT-EXAFSによるCIGS太陽電池の局所構造解析
FT-EXAFSにより、注目元素周囲の配位元素や結合距離などの情報が得られる。CIGS太陽電池の FT-EXAFSから、CIGS膜における注目元素(Cu, Ga, In)の配位環境を評価した例を示す。
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FT-EXAFSとは |
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FT-EXAFSはXAFSの解析結果の一つであり、注目元素周囲の配位環境(結合距離、配位数など)の情報を得ることができる。
・ピーク位置 : 配位した原子との結合距離を反映
・ピーク強度 : 配位数や対称性などを反映
結晶性の低い試料(アモルファスなど)の評価も可能。 |
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CIGS太陽電池について

試料断面図 CIGSはカルコパイライト型構造(上図)を持つ |
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試料提供 : 立命館大学 峯元高志准教授 |
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Cu K, Ga K, In K 吸収端のFT-EXAFS解析
Cu K, Ga K, In K 吸収端で測定を行い、CIGS膜に含まれるCu, Ga, In周囲の配位環境を評価。
(比較のため各金属元素の酸化物、硫化物、セレン化物も測定) |
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各金属元素とも、酸化物、硫化物、セレン化物でピーク位置は異なる。

ピーク位置の比較から配位した元素を特定できる。 | 
元素の組み合わせによって結合距離は異なる。 |
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CIGS膜の解析結果 |
Cu | Cu-Se結合が主成分 |
Ga | Ga-Se結合が主成分 |
In | In-Se結合が主成分
その他、In-O結合も存在( ITO膜由来と考えられる) |
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Cu K 端 FT-EXAFS Ga K 端 FT-EXAFS |
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In K 端 FT-EXAFS |
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分析機能と原理
カテゴリー
自動車, 電池
分類
太陽電池